大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(あ)3442 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

被告人の上告趣意は、単なる量刑不当の主張であつて、刑訴四〇五条の上告理由

にあたらない。

弁護人植木敬夫の上告趣意第一点、第二点について。

所論は結局検察官の上訴を認める制度または検察官による量刑不当を理由とする

上訴は、引用の憲法各法条に違反するというに帰する。しかし憲法は、審級制度を

いかにすべきかについては、同八一条に最高裁判所の性格を定めているほか、なん

ら規定するところがないから、このほかの審級制度は立法をもつて適宜に定めるこ

とができると解することは、当裁判所大法廷の判例(昭和二二年(れ)第四三号同

二三年三月一〇日判決、集二巻三号一七五頁参照)とするところである。従つてわ

が刑事訴訟法が検察官の量刑不当の上訴を含む上訴権を認めたことが所論のように

違憲ということはできない。のみならず下級審の無罪または有罪判決に対し検察官

が上訴をなし、有罪またはより重い刑の判決を求めることが憲法三九条に違反しな

いことも大法廷の判例(昭和二四年(れ)第二二号同二五年九月二七日判決、集四

巻九号一八〇五頁)とするところであり、この趣旨を合せ考えれば所論は問題とす

るに足りない。

同第三点、第四点について。

所論第三点は、憲法違反を主張するが、その実質は単なる訴訟法違反を主張する

にすぎず、また同第四点は、単なる量刑不当の主張をいでず、刑訴四〇五条の上告

理由にあたらない。(なお第三点の内容についていえば、記録によれば、原審は、

自から事実の取調をなし、記録及び原審における証拠調の結果を合せて情状を検討

し、諸般の事情を参酌した上で、第一審の刑を軽きに失するものと認め、主文のよ

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うな刑を言い渡したのであつて、単に同種の犯罪により前に有罪判決を受け、執行

猶予中であるとの一事のみにより処理したのでないことはその審理経過により明ら

かである。従つて所論の前提とする理由も採用できない)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和三一年一二月二五日

最高裁判所第三外法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

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